No.35 術後臭の真実 その1

PATM(パトム)
PATM(パトム)周囲の反応や感じ方ワキガ
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ワキガと診断されて手術やその他の治療を受けた。「もうこれでニオわないはず!」と思ったのに、周りの反応は相変わらず…自分でははっきり分からないけれど、ワキガが直ってないんじゃないのか?

そんな不安から体臭検査に臨んだユーザーさんが多くおられます。この状態を「術後臭」と呼びます。

今回は術後臭について。

術後臭とは

まず術後臭について、お話します。

術後臭とはワキガ治療を行ったにもかかわらず、その後一定期間後に自分の体臭が再発生したと感じる場合、その状態を術後臭と呼びます。ただ、ワキガ治療を行う病院では術後臭の存在自体を認めていない場合が多い。それはなぜか? という事は置いといて、その症状としては

  1. 以前に自分で感じていたワキガ臭が、治療を受けていた場所付近から再び感じるようになった。
  2. 以前に自分で感じていたワキガ臭が、治療を受けていない場所から発生するようになった。
  3. 以前に自分で感じていたワキガ臭ではない体臭が、新たに感じられるようになった。
  4. 自分のワキガ臭に対して以前にあった「鼻啜り」「咳き込み」「鼻をつままれる」等の周りの人の反応が、再び見られるようになった。(自身でニオイを感じているかどうかの如何にかかわらず)

という4つのパターンがあると、私は思います。

治療した病院では「気のせい」と言われる

以前に治療を施してもらった病院などに行くと「ニオイはありません。気のせいです。」という対応をされる。次に別の専門医に行った時の反応は二通り。

  1. 「アポクリン腺の取り残しがあるようです。再手術が必要」等と言われ、治療を勧められる。
  2. 「気のせいです。何も処置はありません。制汗作用のあるお薬だけ出しましょう。」等と、やんわりと治療を断られる。

また勧められるままに治療を受けた場合、解決する場合と解決しない場合があるようです。当社ユーザーさんでも2回以上の治療を受けたという方がたくさんいます。当社に相談されるということは、2回以上の治療でもまだ悩みが解決していないということ。どこへ行っても「気のせいです。」と言われる方も多く、ただ悶々と悩み続けるばかり。

分かりやすい「アポクリン腺の取り残し」は別として、気のせいにされてしまう術後臭って、訴える側が言うように本当に存在するのでしょうか? それともお医者さんが言うように「存在しない」ものなのでしょうか?

つまり「気のせい」なんてことではなくて「実際にニオイ発露のある術後臭」というモノが存在するのでしょうか?

術後臭とワキガ治療の関係

ワキガ治療に携わるすべての方が以下に記すような、「患者の為」との思想に基づいた見地からワキガ症を捉えている、とは、とても思えませんが、日本で最も高名かつ優秀なワキガ治療専門病院である五味クリニックの五味先生は、ワキガ症について、こう語っています。

「わきが(ワキガ)とは、腋下部にアポクリン腺という汗腺が存在し、その汗腺が発する臭いを本人が明確に自覚して、悩んでいる状態」

更に先生は続けます。

「医学的定義というものは、治療に役に立たなければ意味がありません。わたしの定義からは一つの大切な結論が導きだせるのです。それは、「ワキガ(脇臭)であれば必ず治る」ということです。 つまり、ワキガと診断されたならその時点で悩みの解決が保証されたも同然です。」

私も同感です。但し、条件が付きます。

「自身のワキガ臭がどんなものか分かっていて、それが脇の下のアポクリン腺だけに由来している」場合なら、切除手術を行えば、ユーザーも実感として「ワキガ臭が無くなった」と感じますし、それがワキガ手術のあるべき姿であり「治療」という行為を行ったお医者様側も胸を張って「治った」と言えることでしょう。

さて五味先生には、事業者としての立場をしっかり明かしたうえで個人的に質問させて頂いたことに対して、実に誠実なご回答を頂いたことが何度かありました。そのうちのひとつでは当社の事業に対して「頑張って下さい」とのお言葉も頂きました。(もちろん、個人的な意見としてでしょうけれど)またブログやQ&Aを拝見すると、質問者に寄り添うような言葉が多く、当然知識も豊富ですし、一方的な、片思いとして尊敬させてもらっています。

しかし、自身の体臭で悩む方のうちには、上に書いた定義に当てはまらない方もいるし、実際に自分自身で「術後臭」だと感じたり思ったりして苦しんでいる方もいる。

それでも術後臭はある

当社の見解を先に言えば「術後臭は存在する」という事になります。

何故かと言えば当社の見地、つまり体臭の悩みという問題への捉え方が、「ユーザーがどう思っているか」という側面と「第三者がユーザーの体臭をどう思っているか」という側面の、二方向に立脚しているからです。その観点から見る術後臭の実態を見てみましょう。以下に記します。

  1. 脇の下にのみアポクリン腺が存在していて切除手術なりの治療を施したが、その治療の不手際でアポクリン腺が残ってしまっている。そのニオイは過去に自身で感じたモノと同じものである。
  2. 脇の下にアポクリン腺があって過去に於いては、それだけがワキガ臭の原因だった。しかし脇の下のアポクリン腺を完全に除去したことでカラダの別な部分のアポクリン腺からワキガ臭が発生するようになってしまった。そのニオイは、過去に自身で感じていたモノと同じものである。若しくは別のものである。
  3. 脇の下にアポクリン腺があって過去に於いてはそれが悩みのタネであったが、今は切除しているのでかつてのワキガ臭は無くなった。しかし別のタイプの体臭が発生するようになって、それが第三者に感知され、または指摘され、新たな悩みとなった。
  4. 脇の下にアポクリン腺があって過去に於いてはそれが悩みのタネであったが、今は切除しているのでかつてのワキガ臭は無くなった。しかし別のタイプの体臭が発生していると自分自身で感じている。但し、第三指摘されたことが無い。それでも第三者のニオイに対する反応は、自身が原因だと思う。

 

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