No.123 PATMと香害

体臭改善
体臭改善PATM(パトム)洗濯・洗剤
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忘れられては、たまに思い出される問題の「香害」

なぜたまに思い出されるかと言えば、それに関するニュースがネットで時たま流れているから。

化学物質過敏症やアレルギー、特に粘膜系のアレルギーを持っている人にとっては、いわゆるフレグランス剤や柔軟剤の化学的なニオイは大敵です。また洗剤の残留成分も問題があります。これは基材と呼ばれる成分です。

以前から、東急電鉄の改札口でアロマ散布して問題となりスグにやめたり、安眠を誘うとされるアロマを車中に噴霧し、化学物質過敏症の支援団体(CS支援センター)からねじ込まれて、スグに廃止した近鉄夜行バスなど、確かに、積極的に香害をまき散らして、問題になるケースが目に余ります。

香害とは

化学物質過敏症であり、尚且つPATMでもある、というユーザーさんも、当社では珍しくありません。勿論、重症な化学物質過敏症であれば、私の所では手の施しようもない、というケースも出てくるでしょうが、幸い、私の指導で化学物質過敏症とPATMのどちらも軽減して、社会生活に支障が出なくなった、と言われるユーザーさんは、枚挙にいとまがない…、少し胸を張って言えます。

もちろん、いつか書いたこともあるけれど、PATMは自己臭恐怖症と隣り合わせ。私の所で検査して、事細かに指導させてもらって…それでも、相変わらず、周りの反応に怯えているユーザーさんも数多くいます。心のケアは難しい… PATM改善法も、まだまだ。これからも全国の悩める方のために、一生懸命研究を続けるつもりです!

PATMの自己中毒ユーザーさんのケースで考えると、今、世間で騒がれている「香害問題」も、違う面が見えてきます。やはり一番大事なことは「自分からわざわざ香害を発露させない」ことではないかと思います。

香料は安い。だから過剰に使える

市場には柔軟剤やフレグランス剤が流行っています。イヤイヤ、洗剤にも沢山の香料が入っているし、消臭を目的とする製品にも「マスキング」と称し、香りが付いている。

まあ、洗う目的の洗剤・柔軟剤と消臭剤を同等に俎上に載せると話が混乱するので、消臭剤の害悪については次の機会に譲ります。

さて、洗剤、柔軟剤、フレグランス剤等、いわゆる「洗濯」という行為の中で、様々なニオイが付けることが良いとされる世の中になっています。もちろん、そういう製品を次から次へと製造・販売し、世の中に満ち溢れさせている、大手メーカーのお気持ちは察していますし、否定もしません。お好きにドウゾ、って感じです。

体臭に悩んでいない人なら、そういう製品をチョイスしても構わないと思います。但し、化学物質過敏症の人や粘膜アレルギーの人達に迷惑が掛からない程度としてほしいですけど…

けれど、私のブログを読んでいる人たち、体臭検査を受けてみようと思う人たちには、知っておいてほしいことがあります。

香料って、原料は物凄く安いです。洗浄成分や消臭成分とは比較にならない程安い。だから洗浄成分や消臭成分をたくさん使うよりも香りをたくさんつけてごまかすほうが安く商品が出来る。だから香りがしっかりと残るような商品が多く開発されているんですね。

ニオイを定着・飛散させる「基剤」

しかし、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。その安い原料である香料には、香りを生地に定着させる成分や遠くまで飛ばすための成分も配合されているという事です。においを遠くに飛ばす、香料を衣類に長時間保持させる、という効果のある成分です。上記に書いた「基材」と呼ばれる成分ですね。

人によっては、これらの成分が体臭をミスリードする場合があります。つまり、自分の体臭を遠くまで飛ばす恐れもあるし、体臭を衣類に固着させるかもしれない。書いていて恐ろしくなりました。これ以上書くと、社会的に抹殺されるかもしれない…

ということで、体臭の固着や飛散と香料の関係はここまでとしますが…もうひとつだけ

混ざるとクサい…

ある種のタイプの体臭とある種のタイプの香料が混ざると、非常に不快になります。例えば、脂汗的なニオイにシャボンの香りが混ざると、スーパー銭湯の脱衣場のニオイになります。そういうユーザーさん、たくさん居ました。ほかにもこの体臭のタイプにはフローラル系が合わないとか、柑橘系が合わないとか、様々なんです。体臭検査で体臭の成分分析をすれば、あなたの体臭に合わない香りをチェックすることも出来ます。そのため、「このタイプの香りは体臭を悪い方向に持っていくので使わないほうがいいですよ」という助言もしています。それを気を付けるだけでも体臭の印象は全然変わります。

体臭を誤魔化そうとして、香り製品を大量使いすることが、尚更「香害」を増長している場合があります、ということが今回の結論です。まずご自身の体臭の状況をしっかり把握し、的確な改善策を講じて無臭化を目指す。その上で、僅かばかりの天然の香り製品を楽しむ。そういう上質な香りの楽しみ方を目指してみませんか?

気が付いている人も多くなった

ご自身の体臭中のPATMについて詳しく知りたいと思って検査を行う方の中で、既に自主的に香料製品を遠ざけている方も、最近はよくお見受けするようになりました。

ご自身がPATMであるという自覚があって、柔軟剤やデオドラントビーズや香り付きの消臭剤を使うと、周りのPATM反応が増加するということを体験している方も多くいらっしゃるようです。新品の洋服を着た時には周りの反応が少ない。そうでない服の場合は反応が多い。そこへもってきて「香害」のニュースがこれだけクローズアップされてくると、原因の一端は「香り製品」なのかなと、嫌でも気が付くことでしょう。

それも半分はあっています。しかしながら、香害とは、単に香りが害を及ぼしているわけではないというのは上記の通り。特にPATMの場合は、むしろ基剤の方がPATM反応を増長している可能性が高い、と私は考えています。

例えば、今はやりの某メーカーの固形洗濯洗剤。4種類の物質を別個の場所に収納させた構成のモノが主流になっています。あれって、もちろん中身は洗剤や香料や皴になりにくくするサイジング剤だったり、50倍抗菌を可能にする抗菌剤だったり(50倍は当社比です、と書いてあるところに注目してくださいね)と、ほとんどが化学的に合成された成分です。

まあ液体洗剤は基本的に化学合成成分で作るものだから、それは良いとして、あの形に成型する成分があり、その成分名は「アルコキシル化ポリエチレンイミン」といって、体によろしくない成分です。揮発すれば刺激感がある。目に入ればひどく痛い。

アルコキシル化ポリエチレンイミンの本来の用途は接着剤の原料だったり、インクを紙にシッカリ定着させるためだったり、消火器の泡を形作らせるためだったり、です。SDSを覗いてみると、GHS分類で「危険」の喚起語がついています。イヤ、洗剤成分もほとんど同じような「危険」と書かれているも多いのですが、洗剤成分と違うところは、洗剤成分は水に溶けて衣類から脱落していくこと。まあ洗い方が悪かったり、その成分内容で衣類に残っちゃうことも無いとは言えませんが、本来は汚れを包み込んで衣類から引きはがすというのが役割。けれどポリエチレンイミンの用途は上記に書いた通り「そこに定着させるため」のゲル状成分です。つまり、どれだけ衣類に残っていることか…

洗濯槽洗浄の意味

私のところの洗濯のご指導は「洗濯機洗浄」が最初にあります。以前に付着したニオイ成分や汚れが洗濯槽に付着したままだと、それらが当社洗剤の強力な洗浄力で剥がれ落ちて、衣類を再汚染してしまうからです。市販の洗濯機洗浄剤では、方法も良くないのでほとんど洗濯槽の汚れが落ちていなくて、私の指示通りの洗濯槽洗浄を行うと、みんな、メンタマが飛び出るくらいビックリします。それくらいいろんなものがくっついていたという事。

乾燥機能付き洗濯機のうち、ヒーターがついているタイプのモノ(風乾燥は別)、特にドラム式ですが、これで乾燥させる際に、洗濯槽の裏側にビッシリついているそれらの「基材」は、加熱されると一部が揮発して、一部が更に固着してへばりつきます。上記の通り、揮発すれば刺激感があるという物質を含んだ空気が洗濯機から漏れ出して、部屋に充満しないわけが無い。

ポリエチレンイミンがPATMの原因物質という根拠は、今のところないのだけれど、それでも「刺激感のある物質」を吸入するという事がPATMにつながるというのは、ハウスシック症候群の原因物質とPATMの関係性からも明らかです。

某メーカーの固形洗剤もヒーター付き洗濯機も、そしてドラム式洗濯機も、私は絶対にお勧めしません。

 

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