体臭の本質を追求するのが、体臭検査。けれど「外見的なニオイ印象」というものもあって、例えば、前回ブログで書いた「香害」の問題や、タバコ臭等ですね。これらは本来、本質的な体臭とは切り離して考えるべきなんですけど、それと同時に「見かけ上の体臭」というか、印象操作される体臭というものがあります。簡単に言えば、おじさんだから臭そう、不潔に見えるから臭さそう等々。
今回は、そんなお話。
年齢相応の体臭
体臭検査では、「見かけ上の体臭タイプ」をお伝えするのも一つの項目。 まあ簡単に言えば第一印象みたいなもの。お預かりした私物を着ていた時のユーザーさんの体臭を、一般的な第三者がどう感じるか、を文章で表しているのですが…
さて、その「見かけ上の体臭タイプ」でよく使う表現の中に「若い世代の女の子特有のニオイ」とか、「40代男性に在りがちな体臭」とか、「同性同年代と同様の加齢臭」とかがあります。私のように年がら年中皆さんの体臭を感応鑑定していると「20代女性に在りがちな体臭」や「50代女性の加齢臭」って、どんなもの分かっているのですが、世間一般の認識と合っているのでしょうか? とギモンに思うことがあります。
ホントに見た目が関係ある話
と言うのも、ニオイって、見た目も肝心、って時があります。例えば酪酸とイソ吉草酸を混ぜて少し酢酸をトッピング。それを布につけて「ゴルゴンゾーラチーズのニオイ」として治験者に嗅がせると「はは―」とか「なるほどね」とか言っちゃうんですが、全く同じニオイを新品の靴下につけて「50代男性が履いてました」と言って嗅がせると「ウェー!」とか「吐きそう!」となります。
これが「見かけ」の問題。少し心理的誘導も入ってますけどね。
さて、同じような実験を「中年男性が履いていた靴下」と「20代男性が履いていた靴下」に置き換えて若い女の子に嗅いでもらいます。今回は試薬を使わず、実際に中年男性と20代男性に履いてもらった本当の足のニオイでの実験。若い・中年という背景を伝えずに単純にニオイ判定をさせた時には、若い男性が履いた靴下の方がクサイという検体です。
若い女の子には、それぞれ「あのおじさんが履いた靴下」と「あっちのイケメン男子が履いた靴下」と、イメージつけします。すると、あら不思議。100%の確率で「おじさんの靴下の方がクサイ」となる。これが見かけの印象の「嗅覚誘導」です。
見かけを気にすることが体臭改善にもつながる
怖いでしょ? うちのユーザーさんには、その辺りの「見かけを気にしない」という気配があれば、必ず是正するように指導します。例えば、頭皮臭検査のために枕カバーを送ってもらうのですが、こちらの指定は「3日以上使用する」としているのですが、たまに「2か月使っている」枕カバーを送るなんていう方も居ます。
そこには、生活環境と一言では言い切れない、「ズボラ感」を感じます。そういう方には、見た目の身綺麗さに問題がないか、更にリサーチします。
すると、そこに1番の問題がある場合も…残念ながらあります。
専門家の私でも情報に振り回される可能性がある
体臭検査の検体を感応するとき、私も、もう一人の検査員も、「年齢・性別」を知らないという状況で行います。
私たちのように日々体臭の奥底を浚うような仕事をしていても、印象操作の魔の手から逃れ得ません。知っていれば、やっぱり若い女の事の方を優遇(って言い方が正しいかどうかは別として)して、例えば、体臭強度レベルに手心を加えたりしてしまいます。
しかしそれは、決して良い結果をもたらしません。少なくとも、検査している検査員と、ユーザーご本人だけは、第三者が感じ得る「絶対多数」の体臭印象を知っておかなければいけません。
それを知ることで一時的に傷つく場合もあります。けれど「検査時点の体臭タイプ」や「検査時点での体臭強度」は、あくまでも検査時点でのモノ。
全ての検査が終了した暁には、それを「よいもの」にするための改善策が明確になります。それらを実践することで、ヒトによっては短期間に劇的な改善を見ることもあります。また、たとえ時間がかかろうとも、誰しもが必ず改善していきます。
また「同性同年代と比べて強くも悪くもない」という結果が出るユーザーさんもたくさんいらっしゃいます。それを知ることによって、疑心暗鬼なココロを駆逐して、明るい毎日が過ごせるようになるはず。だから、良かれ悪かれ、自分自身の状態を明確に知る、ということが大事。怖がらずに自分の体臭と正面から向き合いましょう。
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