前回、前々回に引き続き、体臭と大腸の関係について。過去の分をまだご覧いただいていない方は下記リンクからご覧下さい。


今回は少し視点を変えて、加齢と共に善玉菌が減っていくから体臭もヒドクなる、という話をしたいと思います。それでは本題です。
年齢と共に体臭が変わってくる原因の一つに腸内環境が関連している
赤ちゃん、かわいいですね。乳臭いですね。でも良いニオイですね。
あれ? もうお知らせしましたっけ? 私も21年9月に初孫が出来ました。「律人(りつと)」と言います。息子一家は関西に住んでいるので、今のコロナのご時世、あまり頻繁には会いに行けないのですが… まあ、可愛いですな(^^♪ 律人君の話になるとキリがないのでこの辺でやめておきますが…今度、ブログに写真載せて良いですか? ダメ? やめときましょう(笑)
話は戻りますが、あの良い匂いって、何故だと思いますか?
赤ちゃんの体臭はビフィズス菌の影響
赤ちゃんは母体内では無菌に保たれています。つまりは赤ちゃんの腸内も無菌状態ってこと。赤ちゃん自体が発するニオイもあまり無いはずです。理屈がよく分からないのですが、赤ちゃんは出産のときにお母さんの産道を通ることでお母さんの菌を受け継ぐそうです。また病院で初めて呼吸することで、空気中に存在する菌や周りに居る人の菌を体内に取り込んでしまうと言われています。ホントかいな?
しかし化学的な根拠のある話として、母乳を飲むことによってお母さんから「免疫グロブリンA」という抗体を受け継ぎ、それによって体内を細菌やウイルスから守る働きを受け継ぎます。その際に母乳に含まれるオリゴ糖が、腸内に住むビフィズス菌だけを育成します。つまり授乳期の赤ちゃんは、腸内フローラはビフィズス菌ばっかりと言うことになります。
前回に書いたように、ビフィズス菌はオリゴ糖を取り込んで乳酸と酢酸を生成します。酢酸は、量にもよりますが刺激のある酸っぱさですが、乳酸は同じ酸っぱさでも、柔らかく、どちらかと言うと乳臭いようなくすぐったいようなニオイです。
乳酸と言うと、皆さんは筋肉の疲労物質なんて言って悪者扱いしますが、私はあの匂いを嗅ぐと穏やかな暖かな気持ちになります。そう、赤ちゃんを腕に抱いているような…
ということで、ビフィズス菌が優勢な腸内環境だと、体臭も良い匂いになるという証左でした。
やがてビフィズス菌が枯渇し、悪玉菌が優勢になって体臭がヒドクなる…
赤ちゃんの頃は、穏やかな気持ちを促す体臭なのに…時が過ぎれば、嫌われる体臭になる…それは離乳食を摂り始めると共に訪れる下り坂…
ここにある資料があります。腸内の善玉菌・悪玉菌・日和見菌の数についての加齢での変遷。(出典:光岡知足著<腸内フローラと食餌>より)
乳児、つまり母乳を飲んでいる時期のビフィズス菌の量は10の13乗個。大腸菌や腸球菌(日和見菌)の量は10の9乗個。ウェルシュ菌(悪玉菌)はゼロ。
つまり、乳児のうちは善玉菌が日和見菌の1000倍存在していて、悪玉菌は全くない。驚くべき数字ですね。赤ちゃんが良い匂いなのも頷けます。
悪玉菌を摂り込むことは免疫を獲得するということになりますので、必要悪、避けては通れない道です。やがて悪玉菌も蔓延り始めます。
続いては10代の頃を見てみましょうか? ビフィズス菌の数は10の11乗個。日和見菌の内の大腸菌と腸球菌の数は10の8乗個。ウェルシュ菌は10の4乗個。だんだん善玉菌が減って、悪玉菌がフローラ戦争に参戦してきて、日和見菌は相変わらずといった所。
これが40代近くなるとビフィズス菌と大腸菌・腸球菌の連合軍の数量は拮抗してきて、ウェルシュ菌が急成長し、その差は100倍程度となっています。老年期に入ると、ついに善玉菌の数は悪玉菌に追いつかれてしまいます。
加齢に負けない腸内フローラ作りを
前回お教えした黄金律の「2:1:7」は、腸内フローラ全般の比率であって、上記記述と数字的に合わないように思えますが、それはそれぞれ代表的な菌をチョイスして比較しているからと言うことです。
肝心なことは、乳児のうちにせっかく獲得した善玉優勢の腸内フローラも、加齢と共に見るも無残な状態に陥りますという話。これは誰でも、例外なく訪れる、「加齢と老化」の悲しき側面。
けれど、それに対抗すべく、しっかり腸内フローラを育成していけば、例40代、50代でも黄金律の「2:1:7」は獲得できます。自分の状態を知り、自分を律し、正しい方法論で立ち向かえば、「加齢・老化での腸内フローラ環境悪化に伴う体臭」も怖くありません。まずは1日150gのヨーグルト、毎日ぬか漬けや納豆も食べて、お水もシッカリ飲んで…腸内フローラ育成を怠らないようにしましょうね。
イエイエ、実はこの腸内フローラ環境の話、加齢臭だけでなく、ワキガ臭やPATM、若い人特有の汗臭さや酸っぱい汗臭の改善にも関連があり、必ず役立ちます。ドナタさんも大腸は大事にしましょうね。
今回のシリーズはここまで。それでは、また。
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