GWを挟んでしまったので、ずいぶん間が空いてしまいました。ゴメンナサイ。体臭博士もたまには休養が必要なんです(涙)それに東京の実家には年老いた母親が、鶴のように首を長ーくして私の帰りを待っているので(涙)人並みにお休みを頂いておりました。年に3回、お正月とGW、お盆の時だけ、少しお休みさせてくださいね。
さて、前回の続きです。前回は善玉菌の種類と、その働きをサラっと説明しました。以下のURLから行けます。

腸内フローラの黄金比率は「2:1:7」であるという話もしました。今回は善玉菌以外のお話。
悪玉菌とは
善玉菌の対極にいるのが悪玉菌ですね。体臭に悩む方に問題なのは、この悪玉菌が排出する臭気物質です。だから悪玉菌優勢の腸内フローラであるなら、そのまま体臭の状態も悪い! と言えるかも知れません。イヤ、それはちょっと言いすぎでした。それでも体臭の状態が悪いという場合は、腸に何らかの問題がある、と疑った方が良いでしょう。
どんな菌が悪玉菌か?
さて、悪玉菌の種類です。ブドウ菌。実は皮膚の上に多くいる皮膚常在菌にも「表皮ブドウ球菌」と「黄色ブドウ球菌」という種類があります。表皮ブドウ球菌は悪臭の原因にはならないけれど、黄色ブドウ球菌は悪臭のもと。腸内のブドウ球菌と言うのも、この黄色ブドウ球菌の事を指しているのだと思いますが…他にはウェルシュ菌、大腸菌(有毒株)等ですね。腸内細菌の種類は1000種類いるとも言われています。実際にもっとたくさんの悪玉菌もあるのですが、書きだすと切りがない…
あ、そうそう、もうひとつ、一番大事な奴だけ教えておきます。それは「カンジダ菌」です。これはカビ菌ですね。リーキーガット症候群等、腸の病気を引き起こす、非常に悪い菌。こいつだけを狙った治療法もあるくらい。病院で簡単に調べられるので、もしリーキー型症候群が心配なら、まずはお医者さんに相談です。居住地区によっては、私が紹介できるお医者さんもおりますよ。ご相談くださいね。
悪玉菌が体臭の元凶と言われる理由
こいつらが、悪玉と言われるゆえん、また体臭の元凶と言われるゆえんは?
それを簡単に説明しましょう。こいつらが腸内にコロニーを作っていて、そこを通過する食べ物のカス、或いは便の元とでも言いましょうか、それらを栄養素として取り込んで、代わりに老廃物を出すわけです。その老廃物が、ひどいニオイの物質、と言う事。
まあ、簡単に言うと、たんぱく質、主にお肉のなれの果てを摂り込んだら、アンモニアを生成します。硫化物の含まれる野菜類を摂り込んだら硫化水素やスルフィド系やメルカプタン系の臭気物質を生成します。窒素を原料にトリメチルアミンを代表とするアミン類やインドール・スカトールのようなベンゼン環のある芳香族化合物(なんとなく良い匂いのモノを想像してしまう”芳香族”と言う言葉ですが、インドールやスカトールは正にウンチの臭いです)を生成します。
なんだかニオイの事ばかり書いていると、一般の方には危機感が薄れますが、本来の悪玉菌の働きは、もっとヒドクて、まあ、ニオイの件も絡みますが、簡単に言えば、口から入れたものを腸内で腐らせる事。更には、臭い物質以外の毒素も腸内にばらまくこと、発がん性物質まで放出したりします。
だから、こいつらを腸内にのさばらせてはイケナイ。出来るだけ肩身の狭い思いをさせておかなければならない…なんだか、親の仇のように思えてきました。少し熱くなりすぎですね。
日和見菌。どっちつかずのグループ
日和見菌というのは、善玉菌が優勢の時には、おとなしくして良いこともしない代わりに、悪いこともしない。けれど悪玉菌が優勢な時には、悪玉菌と同じように毒素や臭い物質をばらまいたり、腐敗を促進したりする細菌グループのこと。
バクテロイデス、嫌気性連鎖球菌、クロストリジウム、無毒株の大腸菌などです。連鎖球菌や大腸菌って、よく聞くでしょ? そしておとなしくしていれば問題ないけれど、暴れだすと始末に負えない、と言うのもよく分かる。
これらをおとなしくさせ続けておくことが大事で、そのためには善玉菌優勢の腸内環境を作ることが重要、ということです。
黄金比率は体臭抑制につながる
さて、ここで前回からのクエスチョン、黄金比率の回答です。
その前に、上の方で「1000種類以上の細菌が腸内にいる」と書きましたが、その総量はどれくらいだと思います? 実に600兆から1000兆個もの細菌が存在するそうです。コレ、たった一人のおなかの中にですよ?
こう書いても危機感が無いアナタ! その総重量はどれくらいだと思います? 健康な人でも1.5㎏は当たり前だそうです。人によっては6㎏もあるそうですよ! もし体重60㎏の人だったら、体重の10%が腸内細菌の重さになる… 恐ろしや…
で、黄金比率です。「2:1:7」は「善玉菌:悪玉菌:日和見菌」となります。カギとなるのは日和見菌。およそ7割、つまりは腸内で飼っている1㎏もの日和見菌をおとなしくさせるために、善玉菌優勢の腸内フローラ育成を心がけましょう。
まだまだ、腸の話を続けたいと思います。また来週。
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