No.47 冬物衣類のニオイをどうするか?

洗濯・洗剤
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実はこの記事は急遽の公開です。と言うのも、あるユーザーさんから「ジャケットやコートのニオイが気になる」と、今日の朝、メールを頂いたので、書き溜めておいて12月ごろ公開しようかなと思っていた分を、本日急遽公開することにしました。地方によってはもう、冬本番ですからね。それに本文を読んでいただくと分かると思いますが、冬物衣類は毎日洗濯するわけではないんですけど、それでも毎日のお手入れでニオイトラブルを防ぐことが出来るので、早めに始めるに越したことはないですから。以下の文章から、書いて溜めておいた分です。12月を想定して書いてあるので、少し早まった表現などもあるかも知れませんが、そこはご愛敬(^^♪

 

私は東京生まれで、その後神奈川県・岩手県・宮城県・福井県と転居を重ねています。もちろん、仕事の都合です。体臭博士を名乗る前は、お勤め人でしたからね。それも長い間。

こうしてみると、雪に縁のある土地の長く住んでいましたね。東北の雪は軽くていいんですけど、北陸の雪はベタベタで、重くて、雪かきも大変です。まあ、軽かろうが、重かろうが、基本的に雪はキライ。と言うより、冬がキライ。さらに言えば、寒いのがキライ… やっぱり、沖縄がいいなぁ、と冬になるたびに思います。沖縄で暮らしていた時もあります。もちろん、仕事の都合で…

さて、この季節になると、ユーザーさんから「ウールのコートとセーターを洗ってください!」なんていうお願いも来たりします。私は「は?」となるのですが、それも当たり前ですよね。私物をお預かりしてそれを無臭にしてお返ししているのですから、それなりの設備が当社にあるのだと勘違いしている人も多いようです。家庭洗濯はもとより、クリーニングについても日本で何本かの指に入るプロだというのが、バレてしまったのかと焦ります。…って、ココでバラしているようなものですね。

さて今回は、冬物衣料のニオイをどうするか?と言うお話です。

冬物衣類のお手入れ

残念ながら当社ではクリーニングの仕事はやっていません。だから、そういうユーザーさんには「こうしてください」というアドバイスをします。それを教えましょう。その前に、クリーニングの仕事について、少し解説しておきます。少しでも皆さんのお役に立てればと思います。

ドライクリーニングと水洗い

さてクリーニング屋さんはドライクリーニング、家庭洗濯は水洗いと皆さんは考えていることでしょう。クリーニング屋さんではYシャツやシーツぐらいしか水洗いしてくれないと。

大まかに言えばその通りです。でもドライクリーニングって何? と思いません?

ドライクリーニングとは

ドライクリーニングとは、大きな洗濯機(ドライ機と呼びます)の中で油で洗濯するということ。まあ油と言ってもガソリンや灯油、サラダ油で洗うわけではありませんが、根本は同じ、ゾールとかターペンと呼ばれる石油系溶剤で洗います。他にシリコン剤やその他薬剤で洗うケースも無いことは無いですが、ほぼ石油系溶剤で洗っていると考えればOK。

ドライクリーニングでニオイは落ちるのか?

さて皆さん、エビフライやエビの天ぷらを揚げた後… なぜ海老にこだわるのかと言えば、私が好きだから… まあ何でも…フライ物やてんぷらを揚げた後、その油をどうします? 一度使ったからってスグには捨てないでしょ?

ドライゾールも同じです。何度も何度も同じ液でクリーニングします。もちろんドライゾールは1度使うごとに、カートリッジと呼ばれる部分を通過して汚れを濾し落とします。カートリッジは紙で出来ていて、ちょうどてんぷら油をキッチンペーパーで濾して天かすなんかを取り除くのと同じですね。だいたい、300ワッシャーくらいは一つのカートリッジを使います。つまり最後の方は結構汚れたドライゾールで洗われてしまう事も当たりまえ。

活性炭やアルミノと呼ばれる汚れ吸着性分もカートリッジに内包されていますし、汚れやニオイ成分吸着を目的とした器具などを後付けで取り付けているクリーニング業者さんもいますが、それで除去出来る限界値もあり、やはり新しいカートリッジを使った時と数百回使ったカートリッジの時では、ゾールの色が違います。かたや透明、かたや色付き…クリーニング屋さんの質によってはコーラのような色のドライゾールで洗っているところもある… そうなると、同じようにニオイ物質もゾールの中に残っていきます。

ドライゾールでは水系の汚れを取ることは出来ない

大体にして、ドライゾールでは脂分は取れても水系の汚れは取ることが出来ません。それを補助するために前処理と言って若干の水分を含ませた液で汚れ箇所をブラッシングしたりするテクニックもありますが、どこでもそのように手を加えるわけではありません。だからシッカリ水汚れを落とすためには水洗いが必要ということになります。

ニオイ成分は、皮脂から出るものは油寄り、汗と混ざるものは水寄りと、その親水性は様々。ドライゾールだけはで落とせない物質の方が全然多い。更に、汚れたゾールで洗えば、余計なモノに再汚染されてしまう… だから「クリーニング出したのに余計ひどいニオイになった!」なんてこともよくある話…

上手でお客さんのことを考えて仕事するクリーニング屋さんでは、ドライゾールは常にクリーン、水洗いも一緒にやってくれる、というところもあります。

ん? と思いました? そうです。ウールの背広だろうがカシミアのコートだろうが、水洗いできるクリーニング屋さんは存在します。かくいう私も、機材さえあれば簡単にできる! アンゴラの白いコートなんて、2回も冬を越せば、ねずみ色になっちゃうでしょ? ああいうのを真っ白に戻す事も出来ます。単なる自慢ですけど。かと言って、今は手持ちの機材が無い。だから、勝手に送ってきちゃダメですよ、そこのお嬢さん!

クリーニングを依頼するときは「Wクリーニング」を!

そうそう、本題です。臭いが気になるドライ扱い衣類は、クリーニング屋さんで「このコート、ダブルクリーニングして下さい」と依頼することです。そして「そのダブルクリーニングは水通ししますか?」と畳みかける。

「ダブルクリーニングはやっていません」とか、「XXXXクリーニングという方式(名前は様々)でドライクリーニングと同時に出来ちゃいます」という答えなら、洗濯物を片付けて、別のクリーニング屋さんに向かいましょう。もし胸を張って「ドライクリーニングした後に、水洗いもしています」というところならOK。まあ、仕上がりの差こそあれ、とりあえず水性の臭気物質も粗方取れて帰ってくることでしょう。…但し、クリーニング料金はドライクリーニングの2倍は覚悟しておいてください。

「仕上げが悪いのは困る」「粗方じゃなくて完璧に臭いを取ってほしい」と思うのなら、当たりのクリーニング屋さんに出会えるまで、リスク覚悟で彷徨ってください。…ああ、無責任極まりない言葉を書き連ねてしまいました。私はそんな薄情者ではないハズ…と反省しつつ…

 

簡単な冬物衣類のニオイ取り

例えば冬のシーズンならどれくらいの頻度でクリーニングに出しますか? まあ、普通は中間お手入れ1回、しまう前に1回の2回がせいぜいでしょう。だからすごく汚れていますよね。

けれど体臭対策と言うことを考えた時、重要になるのは首周りと袖先の2か所です。この2か所だけが身体自体と接します。特に襟部分は体臭物質の分泌も多いわけで、それがこびりついてしまいがち。

簡単なお手入れ方法をお教えします。特にウール製品に効果的!

1)帰ってきたら、ウールのコートや背広の上着をハンガーにかけて、襟の部分と袖先部分にスチームアイロンやハンドスチーマーのスチームを30秒ほど当てる。

2)その後、スチームを当てた部分に扇風機の風を当てる。

これだけです。これはその日のうちに付着した皮脂由来のニオイ物質を飛ばしてしまう、という方法ですから、ずっと着続けて蓄積して固着したニオイ汚れには通用しません。だから、毎日のお手入れが肝心、と言うことです。

例えば、ウールのセーターの脇のニオイなどが気になった時も同じ方法が使えます。気を付けなければならないのは、アクリル混紡の場合。アクリルはガラス転移点という変質の温度ポイントが50℃なので、高温のスチームに晒すと変質します。

また、ベトベトする場合は、先に水拭きをしてからスチームをかけると良いかも知れません。あと、綿の生地やポリエステルの場合は、あまり効果がありません。と言うより、それらの場合はしっかり水洗いすればよいということです。

ニオイを気にしないで快適に過ごせるように、衣類の管理は日ごろからシッカリ行って下さいね。

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